格安税理士 札幌市

産業構造を「規制緩和」でガラリと変え、そこから生まれる失業にたいしても労働力の流動化促進の「規制緩和」で対処していく、というものである。 そこで想定されている21世紀像は、きわめて弾力的・流動的な産業や企業であり、これにふさわしい弾力的・流動的な「雇用システム」の実現である。
また、「生活の質的改善」の中心部分としては、「内外価格差の是正が急務であり、そのためには、国内低生産性部門の生産性向上が必要である。 低生産性部門の生産性向上を阻害している保護・規制の撤廃を中心に、国際競争力の維持・強化という観点から、経済規制の緩和・撤廃の断行が必要である」と強調している。
要するに、低生産性部門に物価高の原因があるといい、そのような部門は保護・規制を撤廃して、つぶしてしまえ、という主張なのだ。 その攻撃の矛先が主として農業や小零細企業に向けられていることは指摘するまでもなかろう。

以上のような「プラン」の実現のため、日経連は「構造改革基本法」なる「法案要綱」を作成し、その立法化を政府に迫っている。 その「基本理念」のポイントは、「官主導を排し、民営化推進、民間主導型経済への転換を徹底する」という点である。
防衛や外交など一部を除き、すべて民間にまかせよ、市場原理・競争原理にまかせよ、いいかえれば大企業の横暴をもっと自由化せよ、という主張である。 これは世界を股にかけて稼ぎまくる多国籍企業・グローバル企業のイデオロギーであり、したがってそれは、アメリカ帝国主義の注文(おしつけ)という側面もつよく、同時に21世紀に向けて日本の独占的大資本が対米従属のもとでいっそうのグローバル化をねらう野望の証でもある。
しかし、その道(「プラン」のいう「第21の道」)の模索は、支配層にとっても険しい。 「プラン」のいう「第3の道」とは、ョ−ロッパ型でもない、アメリカ型でもない「日本の長所を活かした新たな「日本型モデル」ともいうべき」方向ということだが、それによって「21世紀の展望」が開ける保障は、かりに独占的大資本の立場に立っても、まったくみあたらない。
というのは、それによって事態を打開できないことは、「プラン」と基本的に同じ財界の側からの対応がここ数年実践されつづけ、かえってより大きな矛盾を引き起こしていること(不況対策としても無力)からも、すでにその破綻が「実証ずみ」だからである。 ここで一言しておくが、「ブルーバードプラン」の内容は、ちっとも新しくはなく、すでに経団連の「魅力のある日本の創造」(「新日本創造プログラム2010」)その他でいわれてきたことを日経連流に整理し、若干の味つけをしたにすぎない。
その意味で「プラン」は「実践ずみ」だし、破綻は「証明ずみ」なのである。 したがって、「プラとは支配層にとっても、決して青い鳥ではない。
ただ、その「プラン」のはっきりしている点は、「規制緩和」・「講造改革」・リストラにより労働者・国民に多大な犠牲をしいるという部分である。 そのことは日経連もよく自覚しているためか、つぎのように労使一体の必要を力説している(「報告」)。
「産業を支えるのは労使であり、一国の産業、経済は労使のあり方いかんで決定的な影響を受ける。 労使のこれからの課題は、日本の経済・社会と産業・企業の構造改革が避けられないなかで、労使が新たな社会の安定帯としての役割をどう果たすかという点にあるといえよう」。

さらに、「労使が担う社会の安定帯が揺らいでは、日本の構造改革の推進に支障を来すことになる」と日経連は必死なのだが、日経連のねがいとは逆の傾向がいま顕著になっている。 すなわち、労働者の企業帰属意識は音をたてて崩れ、「パイの理論」の破綻がいわれ、反共思想差別による資本の労働者支配策も関電最高裁判決や総選挙での日本共産党の躍進などによって大きくゆらぎ、また労働組合の特定政党支持の義務づけも急速に破綻し、財界のパートナーたる連合の役割が低下したもとで、日経連の期待する「安定帯」の安定度は急速に低下している。
関連して、「春闘見直し」にも言及し、「労使関係が担う社会の安定帯」の必要を強調している。 むろん、その革命的なねらいは「高コスト体質」の打破にあり、これを労働者労働組合の「協力」のもとに追求するこういう提起となっている。
財界にとって「合理的な賃金決定」は、個別企業レベル(ミクロ)と国民経済レベル(マクロ)の両面の統一として考えられている。 まず、「報告」のいうミクロの「合理的な賃金決定」とはなにか。
「報告」は、「個別企業にとって、競争力強化のためには人件費コスト管理が決定的に重要である。 みられるとおり、で「合理的な賃金決定」とは自社の「支払能力」に即して賃金を決定すること、で「支払能力」は「中長期の経営計画」から導き出されること、で「支払能力」を無視した賃金決定は「経営破綻」を招くことIが強調されている。
以上から、「合理的な賃金決定」の核心をなす「支払能力」なる概念が、どうにでも言い逃れのできる、資本家にとって好都合な「概念」であることがわかるであろう。 つまり、「支払能力」の有無が「中長期の経営計画」から導き出されるのであるから、現時点で経営状態がよく十分「支払能力」があっても、「数年後の経済情勢を考えると中長期的には厳しい」、「中長期的にみると支払能力はない」と言い張ることのできる「理論」これが「支払能力」論なのである。
結局これは、いくらむいても、「支払能力あり」というタネをさがしだすことができない仕掛けになっているのだ。 それだけではない。
まだいくつもの高いハードルが立ちはだかっている。 第一ハードルは、かりに厳しい競争を生き抜くためには、企業各社は合理的な賃金決定を貫かなければならない」として、「合理的な賃金決定」について、つぎのように解説している。
「合理的な賃金決定とは、中長期の観点から導き出される自社の支払能力に即した賃金決定である」。 「支払能力は、自社の成長と体質強化をめざす中長期の経営計画から導き出される」。

「支払能力を無視した横並びの賃金決定は国際競争力を喪失させ、支払能力を超えた賃上げは経営破綻を若干の「支払能力あり」と経営者がみとめた場合でも、その「支払能力」(資金)はベースアップ(賃上げ)ではなく、「一雇用の維持・創出」に振り向けるべし、という主張である。 第2ハードルは、その結果まだ若干の「支払能力」があれば、それをベースアップではなく、その場かぎりですむ一時金・ボーナスとして支払うべし、という主張である。
第3ハードルは、なおかつ「支払い能力」に残余があれば、これを自社製品の価格を下げるために充当すべし、という主張である。 以上から結局、ミクロの「合理的な賃金決定」とは、決してベースアップをしないこと、経営状態が悪ければマイナスのべースアップ賃下げ)をすることである。
つぎに簡単にでも、マクロの「合理的な賃金決定」をみよう。 「報告」によれば、それは「経済の安定成長と物価の抑制という視点から、国全体の実質国民経済生産性上昇率の中長期的な動向を基準に賃金上昇率を決めようとする生産性基準原理の考え方である」とされる。

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